突発性難聴の聴力検査
気導聴力・骨導聴力と感音難聴・伝音難聴の診断と経過観察にオージオグラム(聴力検査)は有効な指標となります。
オージオグラム
当院の患者さんのものです。R(右)、L(左)で分けてあるオージオグラムです、左右が一緒のものもあります。
また、折れ線グラフの折れ線を境に「聞こえる」「聞こえない」との判断になることから、折れ線はグラフの上位にあり「聞こえる」領域が広いほうが良好である事になります。
人の日常会話の音域は30dB~60dB・500Hz~2000Hzくらいです、ですから500Hz~2000Hzの聴力を重要視します。
日常会話の領域
このオージオグラムを解説するとRtが、500Hzからが35dBと20dBの正常範囲を超えています。この平均聴力は(35+40+40+40)÷4=38,75(軽度難聴レベル)となります。気導聴力・骨導聴力ともに同じグラフの動きをしている事から感音性難聴の疑いが予測できます。Ltは20dB以上の正常がわかります、20dBまであれば正常とみています。日常会話の音域は30dB~60dB・500Hz~2000Hzくらいです。ですから、500Hz~2000Hzの聴力は生活に影響しています。
記号
縦軸、音の大きさ dB:デシベル。横軸、音の工程 Hz:ヘルツ。
- (dB)聴力レベル 正常値は気導聴力・骨導聴力ともに…20dB以内(ささやき声も聞こえ日常生活に支障がない)
- 気導聴力(右)… ○
- 気導聴力(左)… ✖
- 骨導聴力(右)… [
- 骨導聴力(左)… ]
- 気導聴力・骨導聴力 共に同程度(同じ動き)悪い➡感音性難聴の疑い
- 気導聴力に異常・骨導聴力は正常➡伝音性難聴の疑い(内耳機能は正常で中耳から外耳の障害を疑う)
当院の特徴
聴力検査を資料
耳の状態を本人の主観以外に客観的にみる事もとても大切ですので、数週間ごとに聴力検査を受けていただきます。
持参していただく物
- オージオグラムの表(聴力の変動確認と状況の把握)
- お薬手帳(処方状況からも医師の見解を推測しやすくなります)
難聴レベルの種類
気導検査結果の平均聴力で分けられています。
大抵4分法
平均聴力は、大抵4分法。 (500Hz+(1000Hz×2)+2000Hz)÷4 このような計算式で出します。ほかにも3分法、6分法があります。計算式からも推測できますが、日常会話で使われる500Hz~2000Hzの中でも、1000Hzの聴力を特に重視した方法です。
重症度の分類
難聴の重症度は、4分法の数値を参考にします。これ以外にも、重症度の基準はいくつかあります。厳密に考えるよりは「生活にどれくらい支障があるか」という自分の感覚を優先しても良いでしょう。
軽度難聴
- 聴力:平均聴力25〜40dB
- 特徴:対面会話は問題ないが、呼ばれた際に気が付かない、騒がしいところで聞きにくさを感じる。
- 備考:日常生活で困る人もいれば、困らない人もいる。
中等度難聴
- 聴力:平均聴力41〜70dB
- 特徴:対面会話も聞きづらくなり、聞き返しが増える。離れたところでの呼び声に気が付きにくくなる。
- 備考:日常生活が徐々に苦しくなってくる。
高度難聴
- 聴力:平均聴力71〜90dB
- 特徴:対面会話は非常にしにくく、離れたところの音は気が付かない。
- 備考:日常生活上で大きく支障が出る。
重度難聴
- 聴力:平均聴力91dB以上
- 特徴:ほとんど音が聞こえない。
生活音
大体の生活音の目安です。