産後の腱鞘炎

産後ママの腱鞘炎

手首の親指側

新米ママAさん

新米ママが来院されました。みてみると左側の手関節背部(手の甲)と母指(親指)のスジに痛みがあり、立ち上がる時などに手を床やベットに着くと痛いため、手が着けないという症状です。

初産で多い

手関節の背部(手の甲)は全体的な痛みで、痛みがココ!というものではなく、おおまか。母指(親指)スジの痛みは、フィンケルシュタインテストで陽性の兆候があり、育児中の方に多い腱鞘炎で、ドケルバン病と言われるもので、親指から手首に痛みが出るのが特徴です、短母指伸筋と長母指外転筋にストレスがかかっているのを指します、それでは?との見解をしました。

原因は

産後の腱鞘炎の原因としては諸説あり、ホルモンの影響、骨盤が開いているなど。しかしながら主だった原因は肩から腕の緊張、疲れが影響しているとおもいます、病院での治療は局所の注射、貼り薬、飲み薬、などで、授乳中には避けたいものですし、重度のものではシーネでの固定治療が一般的。当院では「手が着けない」と「手関節が小指側に曲げれない」部分に着目しました。

施術開始

産後の腱鞘炎

親指から手首に痛みが出るのが特徴な産後の腱鞘炎では、短母指伸筋と長母指外転筋にストレスが掛かる事で起きる事から、この二つの腱がメインターゲットとなります。

初回の施術

まずは肩甲骨外縁の筋緊張を探します、予想では「需兪」の反応と首から項部(うなじ)「C6」の反応が有るかをみます、C6、C7、T1あたりの緊張が強く、右に比べて左は硬く、左右での差があります。この場所のツボは腕全体のだるさ、重さ、こわばりに良いツボと手を着きやすくするツボがありますから、まよわずこちらの「C6」「C7」ツボを選択し肩甲骨外縁の「需兪」鍼での施術を終えました。ご本人確認をすると、手が着けないという症状が「痛みは有るが、手が着ける」という症状に変化があり、そこで終了。

二回目の施術

一週間後【二回目】この一週間は、どうでしたか?の問に「痛みは当初の5割」とのこと。今回は母指(親指)をメインに施術しようと思い。母指(親指)のスジが短母指伸筋と長母指外転筋であり、ここに「列缺」ツボがある為に、首の付け根のツボから列缺に反応させようと今回も鍼での施術を行いました。施術後、ご本人確認をすると「手も着けるし、痛みも9割減った」と喜んで頂きました。出産前の仕事をしていた頃は、マッサージを定期的に受けて身体のケアをしていたようですが、鍼施術の効果を実感していました。

本当の原因は

産後の腱鞘炎は赤ちゃんへの愛情で起こる。

 

ドケルバン病

施術後記

赤ちゃんの抱き方

腱鞘炎を起こしてしまう一番の原因は、赤ちゃんの抱き方にあります。初産の新米ママは「コツがつかめない」ことが多く、過剰に力を入れて腱鞘炎を起こしてしまいます。腱鞘炎を起こしてしまった方の多くは、授乳の時に、赤ちゃんの頭を手首の近くに乗せておっぱいを飲ませていたり、心配のあまり、抱き方に過剰な力を入れ、腕、肩、腰への負担が最終的に腱鞘炎として表面化されるわけです。

腱鞘炎

予防する

しかし、治療で良くなったとしても、原因である赤ちゃんの抱き方を改善しなければ意味がありません。痛みが強く出る前に、赤ちゃんの抱き方を改善して予防する事も大切です。

予防に大切な事

  1. 赤ちゃんの正しい抱き方は、肘より上に頭が来るように抱っこし、お母さんの腕や身体の何処にも力が入っていないように心掛ける事。
  2. 授乳の時には、クッションやバスタオルを丸めたものを使い、ママの身体のどこにも力が入らないようにして手にかかる負担を少なくする事。
  3. 抱っこは、抱っこ紐を使いましょう。最近は新生児から使える抱っこ紐もあります、スリングや抱っこ紐を使う事により、腕や手首の負担を軽くする事。